施工について
設置条件と施工上の留意点
「フジムラL 型」・「FL ウォール」の築造に関する基準は、
築造仕様書に定められております。
ここでは「FLウォール」(以下、「擁壁」という。)の施工について解説します。
※「フジムラL型」の施工については、築造仕様書をご確認ください。
土質条件の把握
- 擁壁背面土および基礎地盤の土質により、根入れ深さや基礎仕様が異なるので、施工場所の土質を十分に把握して、認定条件に適合したものであることを確認してください。
- 基礎地盤の土質が認定条件に適合しない場合は、杭基礎や地盤改良を行うとともに、地盤改良を行う場合には、改良後の支持力を確認してください。
規格外製品の使用について
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斜切りをする場合の勾配
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長さを縮小する場合の制限
- 高さを規格外とする場合は、直近上位の高さの規格を準用します。
- 頭部を斜切とする場合は、その勾配は25%以下とします。
- 長さを規格未満とする場合は、1m まで縮小することができます。
フェンスの設置
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1.現場打ち取付け型、ブロック据置型
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2.バンド取り付け型(A)
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3.バンド取り付け型(B)
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4.ベースプレート型
フェンスの設置については、フェンス支柱と前壁を一体化して施工することができます。
その他
認定条件で定められている以外の形状を必要とする場合は、現場打ちコンクリートで施工してください。
施工手順
根入れ深さ
必要根入れ深さは、岩盤に接着して設置する場合を除き、次のとおりとしてください。
基礎地盤が内部摩擦角30度以上の場合 | 擁壁の高さの15/100以上かつ35cm以上 |
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基礎地盤が内部摩擦角30度未満の場合 | 擁壁の高さの20/100以上かつ45cm以上 |
試験で基礎地盤土質を確認しない場合で、 土質分類が「岩、岩屑、砂利又は砂の場合」 |
擁壁の高さの15/100以上かつ35cm以上 |
※擁壁の高さとは、地盤面より上の地上高さをいいます。
基礎地盤の必要地耐力
基礎地盤の地耐力が擁壁の必要地耐力以上であることを確認してください。
基礎地盤が必要地耐力を満たさない場合は、次のとおりとしてください。
- 軟弱層が浅い(2m 程度)の場合、その軟弱層を取り除き地耐力が得られる良質な材料に置き換え、十分な転圧を行った後、必要地耐力が得られたかを平板載荷試験により確認してください。
- 軟弱層が深い場合や置き換えによっても必要地耐力が得られない場合には、杭基礎等別途検討を行ってください。
基礎・敷モルタルの施工
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基礎地盤が悪い場合には、基礎栗石(栗石・砕石)を所定の厚さと幅で施工してください。
基礎コンクリートの設計基準強度はFc=18N/m㎡以上とし、所定の厚さと幅で施工してください。 -
基礎コンクリート上面と擁壁底面との間に隙間が生じないように、
厚さ2cm 程度の空練りモルタル(セメント1:砂3 の配合を標準とする。)を施工してください。
製品の据付け
吊り上げ機械およびワイヤー
- 製品の荷卸し、据付け等に使用するクレーン車は、施工現場への乗り入れ道路および施工現場での足場の状況並びに製品重量、接近距離(ブームの長さ)等を考慮して適切な機種を選定してください。
- ワイヤーは、正しい吊り角度で吊り、過荷重にならないようにしてください。
- 製品は重心を確認し、バランス良く吊り上げてください。
フィルター及び透水層の施工
擁壁背面の土砂が、目地および水抜穴から流出することを防止するために、耐食性の吸出し防止フィルターを貼り付けてください。
浸透水を有効に排水するために、透水層の最下端部分に止水コンクリートを全長にわたって設置してください。
透水層の厚さは原則として30cm 以上とし、砂利等の材料を用いてフィルターが剥落しないよう、擁壁の背面に慎重に施工してください。
透水層として、透水マットを使用する場合は、(公社)全国宅地擁壁技術協会で指定したものを使用してください。
根入れ深さに敷きモルタルおよび基礎コンクリート・基礎栗石等の厚さを加算して決定して下さい。
所定の基礎幅を確保するために設置する型枠等の基礎工事に支障のない程度に、基礎の両側に余裕のある幅(30cm〜60cm)を確保して下さい。
掘削面の崩壊等の事故が生じない安全な勾配以下とするか、または矢板等による山止めを行い、安全を確保して下さい。